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燦燦 -さんさん-

ストーリー


鶴本たゑ(吉行和子)、 77歳。 10年におよぶ介護の末に最愛の夫を亡くし、それからずっと独り暮らし。離れて住む息子たちは、なかなか会いに来てはくれない。日課といえば、老人クラブ「燦燦会」に顔を出すこと。だが、気の合う仲間はいるものの、年寄じみた活動は楽しめず、足が遠のいてしまう今日この頃。淡々と過ぎゆく日々の中で、たゑは思う。「人生の花道を輝かせたい!」 そんな時、街に出たたゑは、結婚相談所のショーウィンドーに飾られたウェディングドレスに、ふと惹きつけられる。人生のラストパートナーを求めて、たゑの“婚活”が始まった ―。

愛妻を亡くした寡黙な菓子職人、孤独死を恐れる葬儀屋、果樹園に人生を捧げた独身男性・・・。たゑは、様々な人生を送る様々な考えの同世代の男性達と出会う。でも、心動かされる相手は見つからない。結婚相談所の若い女性担当者・橘(田川可奈美)は、最初こそ“おばあちゃんの婚活 ”をお荷物のように扱っていたが、「毎日がスタートライン」がモットーのたゑの明るさに惹かれて次第に強力なサポーターとなっていく。

そしてある日、とうとう“王子様 ”が現れた。彼の名は、能勢雄一郎(山本學)。仕事一筋で家庭を顧みず、退職と同時に熟年離婚したと語る誠実そうな男性。日常の喜びや悲しみを共に記憶していくパートナーを探したいと言う彼に、自分と似た感覚を感じたたゑは、橘に宣言する。

「私、もう一度会ってみていいかしら」

婚活に驚く息子の猛反対を受けつつも、たゑは能勢との初デートの日を迎える。“二度目の初恋 ”のトキメキを認め合い、東京タワーが見下ろす中、ドライブを楽しむふたり。車が故障したことがきっかけで、たゑは能勢との時間に得難い幸せを感じている自分に気づくのだった。数日後、彼女は能勢を燦燦会に誘う。颯爽とテニスをする能勢は、燦燦会メンバーの注目の的。たゑもまた、華やいだ笑顔を能勢に見せた。

そんなたゑを見て、心穏やかではいられない男がいた。たゑの亡き夫・修一の親友で、燦燦会の会長・森口慎二(宝田明)だ。森口は、修一の最期を看取った病院の院長でもあった。かねてから、「晩節を汚すな。修一が天国で悲しんでるぞ」と、親友への想いを理由に、たゑの婚活にズケズケと異を唱えていた彼だが、本当は彼自身が、独りのたゑを傍からずっと見守り続けていたいと密かに願っていたのだった。

そんなある日、たゑの親友が亡くなった。悲しみの中、優しい能勢の存在はどんどん大きくなっていく。しかし、クリスマスを前に、幸せなたゑを失意のどん底に突き落とす出来事が起きる。・・・実は能勢には壮絶な秘密があった。それは同時に、彼女が心の奥に隠してきた過去の傷をも思い出させてしまう。
7年前、愛する夫の介護に疲れ、ある決意をしてしまった自分・・・。

たゑは心身の過労から倒れ、入院する。愛する亡き夫を置いて自分だけの幸せを求めようとしたことを責め、婚活を諦めて息子に従い介護生活を受け入れようとするたゑ。

だが、そんな彼女を、再び前へと向かせた想いがあった・・・!

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プロダクションノート


■映画『燦燦─さんさん─』のスタート地点

production1映画『燦燦-さんさん-』の出発点は、監督・外山文治の想いだった。彼は、4~5年前、28歳の頃に、高齢者の恋愛物語を思いつく。その時点で、既に日本の人口の約20%が65歳以上の高齢者。「彼らがもう一度恋をするような映画を創りたい」と考えたのだ。

実際に高齢者達を取材してみると、イメージを覆されるような様々な魅力に驚かされた。「お婆ちゃんの知恵袋」に象徴される老人の役割とは程遠い、快闊で、狡猾で、芳醇な、人間味溢れる人々。衰えと成長の共存。枯れぬ欲望とジレンマ。生と死を身近で感じる日常。人生の大ベテラン達の海千山千の魅力に外山は取り込まれていく。

だが同時に、高齢者の明るい恋愛物語を作る前に、高齢者の光と影の両面を知る必要があると考えるようにもなっていった。そして2010年、自主映画『此の岸のこと』を制作。誰もが避けて通れぬ「老い」がもたらす事件や事故がマイノリティ化される現状に警鐘を鳴らす目的の短編だった。「老い」と対峙し、発病、孤独、老老介護を題材に夫婦の愛を描いたこの作品は、モナコ国際映画祭2011短編部門最優秀作品賞を含む5部門を受賞。作品は、各地での上映会を通じて3000人を超える多くの高齢者と触れ合う機会を彼にもたらし、彼は晩年の現実を切実な形で知ることになる。

次第に彼は、作ろうとしている“高齢者の恋愛物語”を、単なる恋愛物語や悪戯な挑戦物語に終わらせず、「命の輝きを取り戻すための“応援歌”にしたい」と願うようになっていく。こうして、孤独な晩年から脱却して内面から燦燦と輝いていく77歳の主人公・たゑの姿を明るく描く『燦燦-さんさん-』の物語が紡ぎだされていった。

外山は語る。「無縁社会の中で新しい縁を見つけようと奔走する主人公・たゑの姿は、これからの超高齢化社会における新しいヒロイン像かもしれない。観る者が勇気と希望を見出し、自身の幸せな結末とは何かを問える物語を目指しました」たゑに特定のモデルはいない。外山自身の祖母は、長患いで部屋から出られない晩年を送ったという。「高齢者を描くことは、私自身が得ることができずに終わった魅力を探求する行為だったのかもしれない。何より、私の祖母が羨ましがってくれるようなヒロイン像を目指したつもりです」

■制作へ:<D-MAPプロジェクト>

商業的な意味で高齢者は映画の題材になりにくいと言われている。「ましてや、小説や漫画の原作もない新人監督のオリジナル脚本を映画化するのは非常に困難な道程だった」と外山は語る。外山がまずしたことは、出来上がっていた脚本をプロットに戻して、当時、ユナイテッド・シネマが主催していた「第六回シネマプロットコンペティション2011」に応募することだった。ここで大賞を受賞すれば、埼玉県の映像産業拠点施設「SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ」の若手映像クリエイター支援プログラム<D-MAP>での映画化が見込めたからだ。そして彼のプロットは、2000を超える応募作品の中から大賞に選ばれる。だが、喜んでばかりはいられなかった。公募により監督を決定する<D-MAP>で監督権を得られなければ、他の誰かが『燦燦-さんさん-』を監督することもあり得るのだ。「他の人が監督権を得たらどうするの?」と監督採択のプレゼンテーションでも問われたというが、「我ながらスリリングな道を選んだものです」と外山は振り返る。結果は見事、外山自身が監督権を獲得。こうして、ついに映画『燦燦-さんさん-』の制作がスタートした。

■奇跡のキャスティング

名優達の情熱撮影に向けての怒涛の日々は、数々の奇跡が訪れた日々でもあった。外山監督によるイメージ・キャストは、「主演女優に吉行和子、共演に宝田明、山本學の予算と規模を考えればあり得ない夢、いや妄想のようなキャストに、プロデューサー陣も頭を抱えたという。だが、脚本だけでも読んで貰おうと連絡したところ、数日後、なんと三者全員から熱く積極的な返事が届く。宝田明は、その理由をこう表現する。「外山監督はまだ若くしてこの脚本を書いているのに感激しましてね、随所に今の時代の気持ちを反映する台詞があるんですよ。感心してこの仕事をお受けしたんです」

さらに吉行和子も語る。「本当に若いにも関わらず、とてもよく解ってらっしゃるし、同時に若い感情も入っていて、とてもいい脚本ですね。単に年寄りを大切にしようというだけじゃなくて、とても優しい目で見ていらっしゃる」そして、名優達に引き寄せられるように、映画スタッフの精鋭達も結集。こうして、燦燦と輝く宝石のような映画を目指し、撮影が始まった。

■撮影

production2クランクインは、2013年1月21日、場所は埼玉県越谷市の県民健康福祉村。スポーツジムで汗を流すたゑと、彼女の婚活を快く思わぬ森口とのコミカルな掛け合いのシーンだ。演じる吉行和子と宝田明による軽妙にして味わい深い演技に、若き外山監督はじめスタッフ全員が、大きな勇気を得たという。その後、埼玉県各所やイルミネーション輝く新百合ヶ丘などを含むロケ地で約10日間の撮影が行われた。たゑの家もまた、重要な役割を担う場所。脚本執筆段階では「一軒家」だったたゑの自宅は、ロケハンを重ねるうちに、外山のインスピレーションから「団地」へと変化した。高度経済成長時代の象徴の一つである「団地」は、今を生きるたゑのリアリティを強化することになる。愛する夫や息子と暮らしていた時間が堆積し、温かさと寂しさが同居する3DKの団地。たゑが、様々な想いを抱いて一人で暮らしているのがスクリーンから伝わってくるはずだ。

■さいたまゴールド・シアター

production3燦燦と輝く高齢者演劇集団映画『燦燦-さんさん-』において忘れてはならないのは、燦燦会の会員達他を演じている「さいたまゴールド・シアター」の存在だ。「さいたまゴールド・シアター」は、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督・蜷川幸雄が率いる55歳以上の団員からなる平均年齢74歳の高齢者演劇集団。老いを演劇に昇華させるべく全国から集まった精鋭達だ。彼らの鍛練の厳しさは、外山監督曰く「安易な生き甲斐ではなく真剣勝負の日々」。今や海外公演まで行う、演劇界注目の存在である。

外山が「さいたまゴールド・シアター」を初めて知ったのは、「高齢者を題材に映画を創りたい」と願いながら、若すぎる年齢が足枷となり理解と成果を得られずに挫折の日々を送っていた頃。「さいたまゴールド・シアター」を取り上げたドキュメンタリー番組を見た彼は、「我々はシルバー世代ではない。ゴールドなんだ!」と高らかに訴え、汗を流す彼らの姿に、目指す映画を認められたような気がして励まされたという。

production4彼は、短編映画『此の岸のこと』の主演を「さいたまゴールド・シアター」の団員2名にお願いし、その強烈な個性と積み重ねた人生の全てをぶつけてくる説得力ある芝居に魅せられる。映画という新しいフィールドでも気後れすることなく存分に現場を楽しんでしまう、その好奇心の強さは、高齢者が挑戦よりも安心を求める傾向にあると信じていた外山に衝撃を与えた。映画『燦燦-さんさん-』のテーマである「淡々とした人生の花道を燦燦と」というメッセージは、まさに彼らの生き方や存在自体と共鳴し合うもの。吉行和子、宝田明、山本學という名優が決まった時点で、外山はその他の登場人物は「さいたまゴールド・シアター」の面々しか有り得ないと確信した。「職業俳優ではない彼らが、職業俳優として頂点に立つメイン・キャスト達に対して、どういう好奇心を抱いてくれるだろう」と、撮影前、外山は胸の高鳴りを抑えきれずにいたという。その存在感、個性、息の合った掛け合い・・・。外山は語る。「出来栄えは、是非ともスクリーンで確認して頂きたい」






キャスト


「優しい気持ちになれるでしょ、誰かを想うと」***鶴本たゑ


吉行和子


吉行和子 8月 9日生、東京都生まれ。劇団民藝の舞台「アンネの日記」(57)でデビュー。映画『にあんちゃん』 (59:今村昌平監督 )、『才女気質』 (59:中平康監督 )で第 14回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞。『愛の亡霊』 (78:大島渚監督 )で第 2回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『折り梅』 (01:松井久子監督 )などで第 57回毎日映画コンクール田中絹代賞受賞。その他の主な映画出演作に、『佐賀のがばいばあちゃん』(06)、『おくりびと』 (08)、『 RA ILWAYS愛を伝えら れない大人たちへ』(11)、『人生、いろどり』 (12)、『東京家 族』 (12)、『ひまわりと子犬の 7日間』( 13)など。14年1月には『小さいおうち』(山田洋次監督)が公開予定。テレビドラマ出演作は「 3年B組金八先生」( 79~ 11のシリーズおよびスペシャル)、「ナースのお仕事」( 96~ 02)他多数。





「死はね、老いたる者にとっては最後に残された大仕事なんだ」
***森口慎二


宝田明


takarada 1934年4月 29日生まれ、旧満州ハルピン出身。東宝ニューフェイス第 6期生として、『かくて自由の鐘は鳴る』( 54)でデビュー。『ゴジラ』 (54)、『青い山脈』 (57)、『放浪記』 (62)など映画出演本数は 200本を超える。『あげまん』 (90)、『ミンボーの女』( 92)、『マルタイの女』 (97)など、伊丹十三監督作品への出演でも知られる。 64年、「アニーよ銃をとれ」でブロードウェイミュージカルに挑戦し、芸術祭奨励賞受賞。以後「サウンド・オブ・ミュージック」、「風と共に去りぬ」、「マイ・フェア・レディ」など数多くの作品の主演をこなし、第 6回紀伊国屋演劇賞、第 10回ゴールデンアロー賞を受賞。2012年に自身がプロデュース・演出・出演を務めるミュージカル「ファンタスティックス」を全国公演し、平成 24年度文化庁芸術祭賞大賞を受賞するなど、数少ないミュージカル主演俳優として不動の地位を築く。その他の映画出演作に、『監督・ばんざい !』 (07)など。




「誰もが否応なく歳を取り子供に還っていくんだったら、このトキメキは初恋みたいなもんかもしれませんな」***能勢雄一郎


山本學


山本學 1937年 1月 3日生まれ、大阪府出身。俳優座養成所卒業後、繊細な表現力と存在感ある俳優として、テレビ、映画、舞台に幅広く活躍。映画出演作に『刺青』 (66)、『雁』 (66)、『戦争と人間』(第一部、第二部: 70、 71)、『金環蝕』(75)、『虹の 橋』 (93)、『四十七人の刺客』( 94)、『梟の城』 (99)、アニメ『 8月のシンフォニー』 (09)、『スノープリンス 禁じられた恋のメロディ』( 09)、『僕の初恋をキミに捧ぐ』( 09)、公開待機作に『永遠の0』 (13)など。テレビドラマ出演作に「白い巨塔」( 78~79)他多数。 80年には演劇プロデュースを目的とした「五五の会」を設立。その代表作「罠」は、 24年かけて全国の劇場 350ステージで上演され評判となる。 93年には「贋金屋草紙」「晩菊」の演技で第 18回菊田一夫演劇賞受賞。その他の主な舞台には、「放浪記」( 87~ 09)、「マリー・アントワネット」( 04)、「流星に捧げる」(06)、「眉山」 ( 09)など。




***橘史子


田川可奈美


田川可奈美 1983年 12月 4日生まれ、熊本県出身。映画『フラガール』( 06)にて、フラガールズのひとり・武藤澄江役を演じ、第 16回日本映画批評家大賞助演女優賞受賞。宮本亜門演出のミュージカル「太平洋序曲」 (11)では、オーディションから大抜擢されて出演を果たすなど、今後の活躍が期待される注目の女優。その他の映画出演作に、短編オムニバス作品『 TOKYO BEATMOVIES・池袋編』(10)、『任侠ヘルパー』 (12)、『真夏の方程式』 (13)、『ゼンタイ』 (13)など。テレビドラマ出演作には、「遺留捜査」 (12)、「梅ちゃん先生」(12)など。



さいたまゴールド・シアター

(燦燦会メンバーたち、お見合い相手の方々、入院中の友人夫妻)

彩の国さいたま芸術劇場芸術監督・蜷川幸雄が率いる、 55歳以上の団員による演劇集団。発足は 06年 4月。長い人生経験に裏付けされたリアルな演技、老いることそのものを表現する作風は、プロの俳優とは異なる独自の創造性を発揮、世界的に活躍する蜷川幸雄の仕事の中でも異彩を放つ。

さいたまゴールド・シアター岩松了、ケラリーノ・サンドロヴィッチなど当代随一の劇作家による書き下ろし新作に始まり、世界のトップアーティストとともに国際演劇祭「フェスティバル /トーキョー 09春」へ招聘されるなど年々注目度が高まる中、13年 5月、初の海外公演となるパリ公演(「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」清水邦夫作)を成し遂げ、熱狂的な劇評によって賞賛される。13年 11月現在、62歳から 87歳までの 41名(平均年齢 74.5歳)が所属する。




スタッフ



外山文治(脚本・監督)


外山文治1980年生まれ、福岡県出身。日本映画学校(現・日本映画大学)演出ゼミ卒。『星屑夜曲(ほしくずのせれなーで)』が「伊参(いさま)スタジオ映画祭シナリオ大賞2 005」で大賞、スタッフ賞を受賞。翌年自ら映像化し「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2007・短編部門」において奨励賞、川口市民賞を受賞。その後、老老介護の厳しい現実を見つめた短篇映画『此の岸のこと』がアメリカ、スイス、カナダなど海外の映画祭でも上映され、「モナコ国際映画祭 2011」で短編部門の最高賞にあたる最優秀作品賞をはじめ5冠を達成。一方、シルバー世代の恋愛を明るく描いた『燦燦 -さんさん -』のプロットがユナイテッド・シネマ主催「第六回シネマプロットコンペティション 2011」でグランプリを獲得、さらに「SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ」の若手映像作家支援プログラム〈 D-MAP2012〉に選出され、自身の脚本・監督による映像化が決定、長編映画監督デビューを飾る。高齢化社会の現実をモチーフに作品を発表する注目の若手映画監督。


上野彰吾(撮影)


1960年生まれ。明治大学文学部卒業後、 83年日活撮影所撮影部入社。前田米造、高瀬比呂志氏らに師事する。崔洋一監督の『東京デラックス』( 95)にて撮影技師としてデビュー。 03年、フリーとなる。主な作品に、『草の上の仕事』(93)、『月とキャベツ』 ( 96)、『スイートハート・チョコレート』( 12)などの篠原哲雄監督作品、『渚のシンドバッド』(9 5)、『ハッシュ!』(0 1)、『ぐるりのこと。』(0 8)などの橋口亮輔監督作品、『星に願いを。  Nights of the Shooting Star』( 02)、『象の背中』( 07)、『ひゃくはち』 (08)、『青い鳥』( 08)、『時をかける少女』 (10)など。外山文治監督の『此の岸のこと』でモナコ国際映画祭 2011短編部門にて最優秀撮影賞を受賞。


鶴巻仁(録音)


1959年生まれ。『どついたるねん』 (89)、『バタアシ金魚』 (90)等に助手として参加。『ラスト・フランケンシュタイン』 (91:川村毅監督 )で録音技師としてのスタートをきる。『金融腐蝕列島・呪縛』( 99:原田眞人監督)で日本アカデミー賞優秀録音賞受賞、山崎貴監督の『 ALWAYS 三丁目の夕日』 (05)、および『 ALWAYS 続・三丁目の夕日』(07)で日本アカデミー賞最優秀録音賞を2度受賞する。他に『いま、会いにゆきます』(04)、『ローレライ』 (05)、『舞妓 Haaaan!!!』 (07)、『 K-20 怪人二十面相・伝』 (08)、『ガマの油』 (08)、『なくもんか』 (09)、『 BALLAD 名もなき恋のうた』 (09)、『 SPACE BATTLESHIPヤマト』 (10)、『漫才ギャング』 (10)、『 ALWAYS 三丁目の夕日 ’64』( 11)、『綱引いちゃった!』 (12)など。


うてなまさたか(装飾)


フリーの装飾小道具として黒澤監督作品の応援や市川崑監督作品などの大作、2時間ドラマなどの低予算作品の現場経験を経て 2007年(株 )東宝映像美術に入社。『電車男』(05:村上正典監督 )、『蝉しぐれ』 (05:黒土三男監督 )の装飾を担当しつつ、助手として、『武士の一分』 (06:山田洋次監督 )、滝田洋二郎監督の『おくりびと』 (08)、『釣りキチ三平』( 09)、仏映画『陰獣』( 09:バルベ・シュロデール監督 )に参加するなどポジションに拘 らず作品に係わっている。水田伸生監督の『なくもんか』( 09)や『綱引いちゃった!』( 12)、『ボックス!』( 10:李闘士男監督)、『県庁おもてなし課』( 13:三宅喜重監督)などを手掛ける。


川崎健二(衣装)


『八つ墓村』(96:市川昆監督 )、『宮澤賢治 その愛』 (96:神山征二郎監督 )、『世にも奇 妙な物語 映画の特別編』 (00:落合正幸監督他 )、『ホワイトアウト』 (00:若松節朗監督)、『郡上一揆』 (00:神山征二郎監督 )、『みすゞ』 (01:五十嵐匠監督 )、『 g@m e.』(03:井坂聡監督)、『スパイ・ゾルゲ』 (03:篠田正浩監督)、『赤い月』 (03:降旗康男監督)、『山のあなた 徳市の恋』 (08:石井克人監督)、『余命』 (09:生野慈朗監督)、『希望の国』 (12:園子温監督 )など、数々の映画作品の衣装を手掛ける。


加藤ひとみ(編集)


1980年生まれ。日本映画学校卒。今井剛氏に師事し、映画とアニメの編集を学ぶ。『世界の中心で、愛をさけぶ』、『フラガール』等の編集助手を務め、 07年、技師としてデビュー。主な映画編集作品に、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』( 09:白石和彌監督)、『アブラクサスの祭』( 10:加藤直輝監督)、『しあわせのパン』( 12:三島有紀子監督)、『凶悪』( 13:白石和彌監督)など。テレビ作品では、ドラマ D×TOWN「スパイダーズなう」、「心の音(ココノネ)」( 12)、「石坂線物語」( 12)、アニメ「人類は衰退しました」( 12)など。


朝岡さやか 松本あすか(音楽)


それぞれ 3歳よりピアノを始め、姉妹ピアニストとして幼少の頃より活躍、国内外の数々のコンクールにて受賞。日本、アジア、ヨーロッパ各地にて演奏活動を行う。その後、姉さやかはイギリス・英国王立音楽院留学。妹あすかは、一度クラシックを離れポップス界等で活躍。現在は、二人とも日本を拠点として、それぞれクラシックの枠を超えた作曲演奏活動等を行っている。今回の『燦燦 -さんさん -』は、姉妹初の映画音楽共作となる。





SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザが推進する
若手映像クリエイターの育成・支援事業=D-MAP


■D-MAPとは?

D cinema Making Associate Programの略で、次世代映像産業の導入及びトップクリエイターの輩出を目指す SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザが実施する若手映像クリエイターの育成を目的としたプログラムです。このプログラムは、業界各社との協業により、映画の企画開発、製作、劇場公開までを一貫して支援し、商業映画監督としてのメジャーデビューをプロデュースします。

■D-MAPの特徴

平成 2 0年度からスタートした若手映像クリエイター育成・支援プログラム〈 D MAP〉は、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザが業界各社と協業して展開、推進することによって制作段階から上映機会(劇場)を確保することが可能となり、各地の映画祭が授与するスカラシップなどの支援制度と差別化が図られた画期的な支援プログラムとなっています。〈 D MAP〉では制作段階から作品を発表する劇場が用意されていることにより、支援対象となるクリエイター(採択監督)は自身の作家性を発揮するだけでなく、常に商業展開を前提とした作品制作や事業としての映画づくりを意識することとなり、また、実地で映画制作と作品公開を経験することにより、作家性と商業性のバランス感覚を身につけることが出来ます。自身の作品が商業公開されることは若手クリエイターにとっては魅力的な支援であり、劇場で作品が公開される事で、より幅広い層に作品が目に触れる機会となり、クリエイターの商業映画監督としてのビジネスチャンスも拡大していきます。

■これまでの実績

第1弾作品『ソロコンテスト』
監督:下條岳(D MAP2008/2008年/40分)ユナイテッド・シネマ浦和、春日部、下北沢トリウッドで公開

第2弾作品『ネムリバ』監督:園田新(D MAP2009/2010年/85分)ユナイテッド・シネマ浦和、春日部、入間、南古谷、上里で公開

第3弾作品『バルーンリレー』監督:藤村享平(D MAP2011/2012年/65分)ユナイテッド・シネマ豊洲、浦和、他全国劇場で公開